ロボットが建設する宇宙コロニー

カーツワイルAIが、宇宙コロニーのために構想されているロボット建設の方法に触れている

宇宙コロニーは、米国宇宙協会(NSS)が人類の宇宙移住のために進めている計画の一環で、約500平方マイル(約5000平米)の面積を持ち、そこに都市、農場、森林などが作られる。

建設は、宇宙に浮遊しながらジグを利用した方法で進められ、最初の構造体に固定した状態で次の構造体のための部材をアッセンブルし、組み上がったところで外部に押し出すという過程を繰り返して拡大されていくという。惑星や月の砂塵を利用して作られる部材を搬入するために、タグ宇宙船にもドッキングされる。

ロボットと3Dプリンターが、宇宙コロニー建設で大いに活躍する模様。

KurzweilAIより。ロボットによって建設される宇宙コロニーの構造体(credit:  A. Nesterova and J. Strickland)

KurzweilAIより。ロボットによって建設される宇宙コロニーの構造体(credit: A. Nesterova and J. Strickland)

KurzweilAIより。宇宙コロニーの内部構想図(credit:  D,Davis/NASA Ames Research Center)

KurzweilAIより。宇宙コロニーの内部はこんな風景(credit: D,Davis/NASA Ames Research Center)


「日本人はロボットのアーリー・アダプターになる」。SRIロボティクス・プログラム・ディレクター リチャード・マホーニー氏インタビュー

SRI(スタンフォード・リサーチインスティテュート)インターナショナルは、政府機関や企業から受託して、先端技術に関わる研究開発やそのサポートを行う非営利組織である。シリコンバレーのメンロパーク市に拠点を持ち、研究開発内容は生物科学、医学、宇宙工学、素材産業、情報システム、コンピュータ科学、環境科学など多岐にわたっている。

ことに、ロボット開発の歴史は長く、現在もエンジニアリングR&D部門のロボティクス・プログラムに引き継がれている。有名な手術ロボットであるダ・ヴィンチが最初に開発されたのもここで、インテューイティブ・サージカル社は50社以上もあるSRIのスピンアウトのひとつである。

シリコンバレーのロボット業界の中心人物のひとり、SRIロボティクス・プログラムのディレクター、リチャード・マホーニー氏に、ロボニュースがインタビューした。

SRIロボティクス・プログラムのディレクター リチャード(リッチ)・マホーニー氏

SRIロボティクス・プログラムのディレクター リチャード(リッチ)・マホーニー氏

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なぜロボットはコーヒーを買いに行くのか?

『IEEE Spetrum』誌が、「ロボットがコーヒーを買いに行くのが、なぜ大切なのか」を説明している。同誌に寄せられたコメントへ回答するために書かれた記事らしい。

Robot - IEEE PR2 coffee

というのも、ロボット研究はおもしろそうに見えるけれども、一体それが現実的にどんな役に立つのかわからない、というタイプのものも多いからだ。記事では、スタンフォード大学のPR2が独りでコーヒーを買いに行くのが、ロボット研究をどう推し進めるのかを解説する。ポイントは以下。

  1. 複数の2Dマップの間をナビゲートする: 可動型ロボットは、いろいろなフロアー間をナビゲートするのがたいてい苦手だが、スタンフォード大学の研究者たちはポータルを経由して複数の2Dマップがリンクされるゲートウェイを開発した。
  2. 自信をもってエレベーターに乗降する: ロボットが自律的にエレベーターを利用するのは簡単ではない。まずエレベーターを見つけ、上下を判断してボタンを押し、エレベーターが到着したのを感知し、人がいないことを確認して乗り込み、正しいボタンを押し……、と無数の判断をビジョンと操作を駆使して行う。
  3. ガラス張りの重いドアを開く: ロボットが透明なガラスを認識するのは困難だが、アメリカ障害者法(ADA)では、ドアの取っ手は同じ高さに設置することを義務づけている。PR2はこの高さに取っ手の表面を認めるとそこにドアがあると認識する。重いドアを開けてそのままに保つのは、PR2のベース部分の重力とパワーを利用している。
  4. 人とロボット間のやりとり: コーヒーを受けとる際には、店員がPR2の手にカップを強く押し付けてくれた方が簡単だが、研究者たちは手に取り付けられたカメラが物体を感知し、その後グリップ(つかみ)を作動させるようにしている。人間同士のような、手荒でないやりとりを可能にするためだ。

こうしたこと以外にも、実際にロボットにタスクを与えることで、現実世界で起こりえるさまざまな課題を意識するきっかけになる。人がいたり障害物があったらどうするか、エレベーターで先に誰かが異なったフロアーのボタンを押していたらどうなるか、ドアのところで人が出入りしていたらどうなるかといったことだ。

ロボットにコーヒーを買いに行かせるのはただ面白がっているからではなく、大切な研究成果を現実に活かすための方法だと記事は強調している。

ビデオはここに。


現代重工業が開発した、重さ15キロの溶接ロボット

韓国の現代重工業が、造船用の小型溶接ロボットを開発したという。

アームが折り畳まれた状態でのサイズは50x50x15センチで、人間が入り込めない狭いところでも作業ができる。またジョイントは6つあり、作業員が行うほとんどの仕事を同程度の時間で遂行できるという。

ソフトウェア次第で鉄鋼の切断、蒸気噴出、塗料の塗布などにも応用可能。15キロと軽量なため、磁石で鋼材の天井や壁面に付着させることも可能。

Robot - Hyundai

プレスリリースはここに。


ロボットに礼儀を教えるディズニー・リサーチの研究

ロボットの動きはぎこちなくて荒っぽい。そんなロボットでは、とても人間と一緒には生活できない。そうしたロボットの振る舞いを改良することに、ディズニー・リサーチとドイツのカールスルーエ工科大学が共同で取り組んでいる。

その方法は、人間同士のやりとりをキャプチャーしてデータベース化し、ロボットに倣わせること。ビデオでは、人間から物を受け取るロボットが、相手の動きに合わせて手を差し出したり、静かに受け取ったりする様子が見られる。

人間っぽさを感じさせるのは、ちょっとした動作。ロボットがそれを覚えれば、人間ともスムーズにやりとりできるようになるわけだ。

関連記事はここ。論文はここ


チータ・ロボットは、時速22キロを達成

MITのバイオメトリック・ロボティクスラボが2009年から手がけているチータ・ロボットの最新ビデオが公開されている。

このチータ・ロボットは、4本足のロボットとしてはボストン・ダイナミック社のチータに次ぐ速さである時速22キロを達成。ボストン・ダイナミック社のチータはこのほぼ2倍の速度で走るが、このチータ・ロボットはエネルギー効率の点ではそれにまさるという。

チータ・ロボットは油圧駆動ではなく、電子モーターを利用。三段階の永久磁石同期モーターを独自に開発して、高トルク密度を確保した。また、再生モーター・ドライバーも組み込み節電を図り、搭載した電池だけで走る。外部からの電気供給は不要だという。

ビデオでは、まるで本物のチータのように、速度が上がるとトロットからギャロップに切り替える様子が見られる。

IEEE Spectrumの関連ニュースはここに。


ロボットがメインストリームになるのを妨げている要因は何?

ロボハブが、ロボット界のキーパーソンに「ロボットのメインストリーム化を妨げているのは何か?」と尋ねた回答を掲載している。その中から、いくつかをかいつまんで紹介しよう。どれも、思わずうなずくことばかり。

ブライアン・ガーキー(オープンソース・ロボティックス財団CEO): 現在は、状態推定や知覚、経路計画などかなりの専門知識を持つ研究者でないと、ロボットのアプリケーションが開発できない。ソフトウェアを書ける人間はたくさんいるのに、そこがネックとなって役に立つロボットが作れない。プログラムのためのビルディング・ブロックがあれば、そのバリアは低くなるはずだ。また、ロボット業界は実用的な目的を見つけるのが病的なほどにヘタだ。問題解決に際して、その問題を抱えた人々が本当に望んでいるのは何かを見いだすことに集中しなければいけない。

マーク・ティルデン(ロボット開発者、BEAMロボティックスやロボサピエンを開発): パーソナル・ロボットの最大の壁は、コストと時間だ。ロボットはSFやハリウッド映画によって大いにプロモーションされているが、作るのは容易でなく、複雑性が増せばコストと時間は幾何級数的に増大する。従って、うまくいかない作品を途中で放棄して次に取りかかった場合、完成することから得られる進化的な発見やスキルが得られないばかりか、途中で放置したプロダクトは金がかかったために捨てるわけにもいかず、ずっと作り手を悩ませ続けるのだ。そこが、プログラムのコード、本、他のバーチャル・プロジェクトを手がけるのと違った点だ。ロボットがもっと安く作れるようになり、バーチャル・シミュレーションではなく現実世界で失敗を繰り返してわれわれに学習の機会を与えてくれるようにならないと、本当に役立つロボットは生まれない。

アラン・ウィンフィールド(西イングランド大学ブリストル校ロボティックス教授): 何をもってメインストリームと呼ぶのかによるが、産業ロボットや海底油田のメンテナンスや監視のためのロボットは、すでにメインストリームになっている。惑星探索でも同様だし、テレビの漫画や映画などの文化面でもすっかりメインストリームになっている。だが、もちろん、ロボットがまだ人間の夢を満たしていないという心情は理解できる。大きな壁になっているのは、技術ではなく人間だ。たとえば、災害時の救援にはすでに遠隔操作のロボットが使われるのに、なぜ消防隊の標準装備にロボットが入っていないのか。それは、訓練や運営手続きというめんどうさから、消防署や消防隊がロボットをまだ受け入れようとしないからだ。もっと長期的な視点で見ると、メインストリームであるとはどういうことなのか。みながパーソナル・ロボットを持っていることだろうか、それとも車がすべて自律運転することだろうか。メインストリームと言っても、いいものばかりではないだろう。今の携帯電話のようにロボットがたくさんいる風景はちょっといやだ。何がメインストリームなのかはわからないが、確かなことは、サステイナブルで人間のためになり、そして生活の価値を高めてくれるようなロボットがメインストリームになって欲しいということだ。


『エコノミスト』誌が伝える、日本の介護ロボット事情

グローバルな経済雑誌として知られる『エコノミスト』誌のオンラインが、日本政府による10万円程度の介護ロボット開発補助金支給に関する記事を掲載している

Robot - economist

記事は、まず高齢者が増加する中で介護業従事者の不足を伝え、日本の海外労働者の受け入れの厳しさからロボットへ期待が持たれているという背景を伝えている。その上で、これまで介護用としてはモノをつかんだりモノを取りに行ったりするロボットが開発されてきたが、からだを拭いたり歯を磨いたりといった、より細やかな目的に役立つロボットはなかったこと、その一方で、ヒューマノイド型ロボットはコストが高くつき、また高齢者をベッドから持ち上げるようなロボットは、重量が大き過ぎることに触れている。

その結果、高齢者を抱きかかえたり、排泄物を自動的に処理したりする単純な機能が目されるにいったと説明。そして、筑波大学の山海嘉之教授が創設したサーバーダイン社の装着型ロボットHALが、限定生産でも17万8000円で販売されている事実は、日本の製造業が10万円程度のロボットの大量生産も難なくこなせることの証明ではないかと推測している。

同誌は、2020年までに、日本製の安価なロボットがアメリカなどの市場に溢れ返っていて欲しいという期待で、記事を結んでいる。


カッコいい! ロボット・バーテンダーのビデオ

MITのセンサブルシティー・ラボが開発したロボット・バーテンダーのビデオが、めっぽうカッコいい。ロボハブが伝えている

このロボット、メイカーシェイカー(Makr Shakr)は、クカ社のロボットアームを利用し、1台が飲み物をシェイクする間にもう1台がレモンやパセリなどの添え物を準備するというもの。先頃開かれたグーグルのアンドロイド開発者会議I/Oのパーティーでも出し物として登場した。下のビデオは、ミラノで公開された時のもの。

センサブルシティー・ラボは、もともとセンサー技術が物理的な都市空間をどう変えるかが研究課題。群衆とジャストインタイムのデジタル製造との関係なども守備範疇だ。メイカーシェイカーは、研究、アートインスタレーション、社会実験を兼ねて作られた。

バーやパーティーに集まる人々は、メイカーシェイカーの動きを見ながら、自分の注文が何番目か、今夜人気の飲み物は何かといったようなことが、スクリーンやスマートフォンでわかるらしい。

こんなロボットがあると、バーや飲み屋の風景もすっかり変わってしまうだろう。


ハードウェア開発スタートアップのためのアクセラレーターは、こんなにある!

これまでインターネット・ビジネスのスタートアップを支援するインキュベーターやアクセラレーターはたくさんあったが、今はハードウェア製品の開発にもその動きが広まっているようだ。

ロボット関連のスタートアップをサポートする組織ロボット・ローンチパッドが、新しいアクセラレーターや既存施設のプログラム拡大を伝えている。場所もピッツバーグ、ボストン、サンフランシスコ、ニューヨークなどに分散しているが、中国の深圳もそうした中心地になっている模様。

施設によって強みは異なるようで、とりあえずのエンジェル資金とオフィス空間を提供してくれるところ、さまざまな分野のアドバイザーを多く揃えたところ、有名メーカーのマーケティングに準じた市場開拓を手伝ってくれるところなどいろいろだ。応募はオープンなようで、年に1〜2回の募集を行っている。

アクセラレーターに参加する利点は、当初の起業資金の提供を受けられ、オフィス空間やその他必要な設備が使えること。外部アドバイザーや、同じアクセラレーターに所属する他のスタートアップからの刺激も、ひとりで開発していては得られないことだ。もちろん、資金提供を受ける分だけ「口出し」をされることもあるだろう。

最近は、ハードウェアのモノ作りの機運が本当に高まっていると、ひしひしと感じる。こうしたアクセラレーターがあれば、ロボットの商用化への動きも加速化されるだろう。

同記事で挙げられているアクセラレーターは、以下:

AlphaLab Gear(ピッツバーグ)

Bolt (ボストン)

PCH International(サンフランシスコ、深圳)

Haxir8r (サンフランシスコ、深圳)

Lemnos Labs(サンフランシスコ)

Zahn Center(ニューヨーク)