ロボティクス・チャレンジのバーチャル版、勝者チーム決定!

DARPA(国防総省高等研究開発局)が主催するロボティクス・チャレンジ(DRC)は、ロボット界の一大イベントである。これは、災害時の救援を前提としたタスクをロボットに競わせるもので、2014年末のファイナル戦まで段階的に試合が続く。

そのうちのバーチャル・ロボティクス・チャレンジ(VRC)部門の選抜が先日行われ、勝者チームが決定した。

ホースを取り付けるバーチャル・ロボット

ホースを取り付けるバーチャル・ロボット

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アイロボット社が、企業向けテレプレゼンス・ロボットを開発

先だって、医療現場で使われるテレプレゼンス・ロボット「RP-VITA」を紹介したが、同ロボットにも協力したアイロボット社が、自社製品として企業向けのテレプレゼンス・ロボット「Ava(アヴァ)500」を発表した。発売は、来年初頭という。

Ava 500の開発にあたって、同社はシスコと協力し、安全で高品質の会議システムを自走ロボットに統合している。会議やミーティングなどのコラボレーション、現地視察や工場の監視などの利用が考えられており、高さも人の身長ほどの高さから、デスクや会議テーブルに座った人に合わせた高さまで調整可能だ。

こんな風景が当たり前になる? (写真はアイロボット社提供)

こんな風景が当たり前になる? (写真はアイロボット社提供)

ユーザーは、ロボットに目的地を示すには、コンピュータやiPadを用いて先方の名前を選んだり、部屋の場所をオフィスの地図から選んだりするだけ。社内で空いているロボットが、目的地まで自走していく。その間、ロボットは人や障害物を避け、スクリーンはパブリックモード(顔が映される)、あるいはプライベートモード(何も映らない)が選べる。ロボットの予約のためのシステムも統合されている。

『エクストリーム・テック』の関連記事によると、Ava 500のレンタル料は月額2000〜2500ドルとなる模様(サービス料は含まず)。

アメリカでは、コンピュータの会議システムも早くから利用されてきたが、こんなテレプレゼンス・ロボットも何の抵抗もなく職場で受け入れられていくのかもしれない。


「予期せぬ事態でも、そこに医師が居合わせることができるのです」 RP-VITAを訪ねて<その1> インタッチ・ヘルス社CEOユーラン・ワング氏インタビュー

医療関連のロボットを開発するインタッチ・ヘルス社は、遠隔地から医師が患者を診断したり現場とコミュニケートしたりするのを仲介するテレプレゼンス・ロボットを提供してきた。

昨年、アイロボット社から600万ドルの投資を受けた同社は、最新型のRP-VITA(アールピー・ヴィータ)にアイロボット社の自走技術を統合。病院内で人や障害物を避けながら目的地にたどり着き、医師が院内を回診したり、看護士とやりとりしたりするのをサポートする。医師の時間を有効に活用しつつ、まるでそこに医師がいるかのように機能して、細やかな医療を可能にするツールだ。今年FDAの認可を受け、現在すでに世界の6病院で利用されている。

インタッチ・ヘルス社は、ロボットに加えて、そのコントロール・ステーションやソフトウェア、ネットワーク・プラットフォームなども含んだ包括的なサービスを提供し、医療現場への先端テクノロジー導入に積極的に取り組むことで知られている。

インタッチ・ヘルス社があるのは、サンタ・バーバラ空港近くの新興企業が集まった地域。社員はおよそ200人。外見はこじんまりとしているが、社内はオープンスペースの気持ちのいい空間だ。その中に、病室を模した研修室やロボット製造の工場もある。

2002年に同社を創設したユーラン・ワング会長兼CEOに、ロボニュースがインタビューした。

ユーラン・ワング氏とRP-VITA

ユーラン・ワング氏とRP-VITA

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懸命に働くロボットがこんなにいる!

『アントレプレナー』誌が、コマーシャル分野で実働するロボットを開発した8社を紹介している

8社はそれぞれ、農業、飲食サービス、環境リサーチ、リハビリ、製造、一般医療、セキュリティー、太陽エネルギーの分野向けのロボットを開発した。ロボットと聞いて想像するようなヒューマノイドなかたちはしていないが、どれも自律的に特定の役割を果たすものだ。

記事の冒頭で、カーネギーメロン大学ロボティクス・インスティテュート内のナショナル・ロボティクス・エンジニアリングセンターのディレクターであるスティーブ・ディアントニオ氏は、「ロボットの商用化は簡単ではない。真の投資リターンが実感できるような応用方法を見いださなくてはならない」と語っている。

同記事で取り上げられている8社は以下:

ブルーリバー・テクノロジー社(トラクターの背後に装着され、畑の雑草だけを見分けて除草剤をスプレーする)

ブリッゴ社(バリスタが入れてくれるコーヒーのプロセスを、ロボットで再現。高度なカスタマイズも可能)

リキッド・ロボティクス社(海上に浮かぶ海洋研究用ロボットが、海や波の観察を行う。波動から電力を得るため、半永久的に稼動する)

エスコ・バイオニクス社(5ワットという省電力型のエクソスケルトンを開発。軍事用のほか、膝や腰などの身体能力を失った障害者、高齢者の歩行補助となる)

リシンク・ロボティクス社(製造現場で単純作業を行うロボット、バクスターを開発。作業工程は、バクスターのアームを動かして入力する)

インタッチ・ヘルス社(遠隔医療のためのテレプレゼンス・ロボット。通常の病院でも医師の回診に利用できる)

ロボテクス社(戦場でのサーベイランスに利用できるリモートコントロール型ロボット。ロボットアームを付けて爆弾除去などに役立てることが可能)

キューボティクス社(最大1200個のソーラーパネルの向きを40分ごとに変えるロボットを開発。ソーラーパネルのメンテナンスのためにデータも収集する)

ブリッゴ社のロボティク・バリスタ(同社サイトより0

ブリッゴ社のロボティク・バリスタ(www.briggo.comより)


造型を生み出すロボットアーム

ロボットアームは、3Dプリンターと同様の新しい造型ツールとしても注目を集めている。

3Dプリンターと異なるのは、機械自体のサイズやノズルの可動範囲に制限を受けないこと。だから、2Dをレイヤーして3D造型を作り出すのではなく、直接3Dにプリントアウトが可能。つまり、空間を自在に動くロボットアームは、よりダイナミックな造型に挑むことができるのだ。

それを実にポエティックに見せたのは、バルセロナのカタロニア先端建築研究所(IAAC)の研究者たち。アメリカの話題ではないが、美しいので取り上げた。速乾性のプラスティック素材がノズルからプリントアウトされ、それがあらかじめプログラムされたロボットアームの動きに従って空間にモノを生み出していく。下ビデオは約3倍速。

ロボットは、こんな表現の領域に関わることも期待されるのだ。

『dezeen』の関連記事はここ


病気の生徒に代わって登校するロボットの話

テキサス州の地元雑誌『ダラス・オブザーバー』に、病気で登校できない16歳の少年に代わって、テレプレゼンス・ロボットが授業に出ているというニュースが伝えられている

この少年リンドン・バティ君は、生まれた時から重い腎臓病を煩い、毎日10時間もの透析を行う必要がある。病状が悪化して、ヘリコプターで病院まで運ばれることもしばしばだ。

そのリンドン君がテレプレゼンス・ロボットに出会ったのは、偶然だった。アイロボット社出身の起業家2人が創設したVGoコミュニケーションズ社が新製品をテストしてくれるユーザーを探していたところ、地域のセールスマンを通してコンタクトしたのが、人口1300人の小さなノックス・シティの市立高校にITサービスを提供する会社の社員だったのだ。テクノロジー・ギークなその社員は、地元の高校に通学できない生徒がいると伝え、そこからリンドン君のテレプレゼンス通学が始まったのである。

記事では、遅刻した時に、リンドン君のロボットがどうやってドアに衝突してノックし、閉まった扉を開いてもらうかとか、リンドン君のおしゃべりで朗らかな性格がテレプレゼンス通学にも合っていたといったことにも触れている。

記事によるとVGoコミュニケーション社のロボットは現在、全米の30校に配置されているという。重症アレルギーの生徒や免疫不全の生徒など、普通に登校できない生徒に利用されているという。

テレプレゼンス・ロボットはこういう風にも使えるのだったと、深く納得した。


筋肉や神経からの信号を利用した義手操作

脳の信号を利用してロボットを動かしたり、義足を操作したりする研究は数々あるが、その一方で局所的な筋肉や神経の信号を利用した研究も行われている。DARPA(国防総省高等研究開発局)のサイトに、そうした研究の最新成果を収めたビデオが公開されている

この研究は、シカゴのリハビリテーション・インスティテュート(RIC)で進められているもので、切断された関節の神経を再接続し、残る筋肉を使って義足や義手などの人工器官を動かすことができるようにしている。脳にチップや電極は埋め込まれておらず、また義手を動かすための外部のコントローラーもない。

このサイトには、ほかにも指先の感触フィードバックを再現する研究のビデオもある。いずれもDARPAの高信頼度神経インターフェイス技術(RE-NET)プログラムの下で進められている研究である。人体をオーグメントするロボット技術の進化を感じさせる研究だ。


柔らかいロボットへの道

われわれはゴツゴツとしたメカニカルな外観のロボットに慣れ親しんできたのだが、ロボット研究の世界には、別の流派も生まれている。

カリフォルニア大学バークレー校バイオエンジニアリング学部の研究者らが、光に反応して動く素材を開発。フニャフニャ、ムニュムニュとした手触りの柔らかなロボット開発に利用できると、話題になっている。

この素材は、弾性のある合成タンパク質とグラフェン(炭素を組成する原子1個分の厚みの炭素シート)を合わせたもの。これに近赤外光をあてると、グラフェンが発熱し、その熱が合成タンパク質に伝わり、合成タンパク質は熱くなると水分を出し、冷めると水分を吸収する。植物の細胞が伸びたり縮んだりするのを模倣でき、両面で素材の密度を変えることで、生き物のように動かすことができる。

この素材は、ロボットの柔らかな部品として用いられることも予想されるほか、体内のドラッグ・デリバリーや再生医学での応用も期待されるという。

研究のプレスリリースはここに。論文はここに。ギズモード関連記事はここに。


ロボット開発の新しい機会を考えるための「ダイナミック・オートノミー」とは?

西イングランド大学ブリストル校ロボティクス学部のアラン・ウィンフィールド教授が考える、ロボット開発の新しい機会に関するスライドがロボハブに掲載されている

このスライドは、先頃ロンドンで開かれた『ロボティクス: イノベーションからサービスへ』と題されたミーティングで行われたプレゼンテーションに用いられたもの。いくつか興味深いポイントがあるので、紹介しよう。

ひとつは、「ダイナミック・オートノミー」という概念。これまでロボットは完全なる自律性(オートノミー)を備えていなければならないと考えられてきたが、ニュー・ロボティクスにおいてそれは神話になりつつあり、それよりも限ったタスクを自律的に行うダイナミック・オートノミーによってサービス製品として成立しているという点。自律性をより広く捉えることが鍵になるということだ。

「ダイナミック・オートノミー」とは? (credit: A. Winfield)

「ダイナミック・オートノミー」とは?
(credit: A. Winfield)

もうひとつは、すぐ製品化できるようなロボットはもう先取りされてしまったのかという疑問に対して、機会はまだまだあるということ。特に「コンパニオン・ロボット(介護ロボットなど人に寄り添ってサポートするロボット)」、「ウェアラブル・ロボット(身体障害者やリハビリ向け)」、「ダイナミック・オートノミーを備えたテレプレゼンス・ロボット」の分野が期待できるとしている。

その上で、ロボット業界にイノベーションを起こすには、研究と業界との新しいパートナーシップ(たとえばロボット技術のクリアリングハウス設置など)や、商用化のための柔軟なプロセス(キャンパス内のスタートアップなど)が重要としている。


ユーザーに首を向けるテレプレゼンス・ロボット

アメリカでは、テレプレゼンス・ロボット市場がにわかに混み合ってきた感がある。

医療現場で用いられる人間と等身大のロボットから、オフィスのテレコンファレンス用に使えるロボット、そしてロボニュースでも紹介したロモーティブ社の製品のようなエンターテインメント用ロボットまで、さまざまなタイプのものが発表されている。

そこに新たに出現したのは、スヴィヴルの製品。スマートフォンやカメラを設置するベースで、これがユーザー側にあるマーカーに向けて方向を変える。従って、ユーザーが動き回っても、その姿を捉え続けるわけだ。マーカーは、コントローラーやマイクロフォンとしても機能する。

Robot - swivl

これもまたキックスターターで資金を集めた製品で、すでに学校での利用も期待されている。先生が講義を録画するのに便利。また企業などでも、ダイナミックに動きながらプレゼンテーションする様をテレコンファレンスで使えるだろう。価格は199ドル。

ロボット業界に特化したベンチャーキャピタル会社であるグリシン・ロボティクスが、最近50万ドルの投資を決めたことも話題に。