ウィロー・ガレージとスータブルのこれからはどうなるのか?

ご存知の方も多いと思うが、ここ最近のロボット界の大ニュースは、ウィロー・ガレージのほとんどのスタッフがスータブル・テクノロジーズ社に吸収されることになったというもの。

もともと、スータブル社こそ、ウィロー・ガレージのスピンアウトのひとつだったのだが、母体がスピンアウトに吸収されるというわけだ。スータブル社は、テレプレゼンス・ロボット「ビーム(Beam)」を開発している。

ウィロー・ガレージを創設し、スータブルのCEOも務めているスコット・ハッサンが『IEEEスペクトラム』でインタビューに答えて、今回の吸収の背景を語っている。その内容を紹介しよう。

スータブル・テクノロジー社のサイトより

スータブル・テクノロジー社のサイトより

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往年の(?)人気者、ファービーがカムバックを狙う

1990年代末に一世を風靡したハスブロ社製ペット・ロボット、ファービーが、シャワーを浴びたり卵を産んだりするという、新たな装いでカムバックを計画中だ。『エンドガジェット』が伝えている

とは言え、自分でシャワー室へ歩いて行くわけではない。タブレットやスマートフォン上のアプリと連動して、シャワーを喜んだり、トイレへ行ったりするというしくみだ。シャワーの温度が高すぎると、文句も言う。トイレの後は、ちゃんと水を流さなければならない。

他にもいろいろ「手間のかかる」しかけが盛り込まれ、汚れてきたりお腹がすいたりすると、持ち主に対処を要求する。持ち主はお世話で忙しくなるというわけだが、ちゃんとお世話をしていると、そのうち卵を産んでくれる。なかなかに凝ったつくりである。

ファービーが卵を産むならば、日本のタマゴッチだって新たに生まれ変われるかも?


原発施設へ侵入する、ヘビ型ロボット

カーネギーメロン大学のバイオロボティクス・ラボが、ヘビ型ロボットの原子力発電施設での配置実験を行った。パイプの内外部をつたいながら、これまでの工業用内視鏡では届かなかった曲がったパイプの奥まで侵入し、施設の調査や点検を可能にする。2日間にわたる実験では、失敗は一度もなかったという。

パイプの内側、外側をつたうヘビ型ロボット(カーネギーメロン大学のバイオロボティクス・ラボのサイトから)

パイプの内側、外側をつたうヘビ型ロボット(カーネギーメロン大学のバイオロボティクス・ラボのサイトから)

使われたロボットは全長37インチ(約94センチ)で、16モデュールで構成されている。各モデュールは2個の半関節からなっており、全身で16度の自由度を備えている。移動では、SLAM(同時位置推定および地図作成)を利用して自律走行し、センサー付きのビデオ・カメラはロボットが回転しても上下を保った画像を送信した。カメラは向きをリモートに調整することもできる。

実験では、内径18インチ(約45.7センチ)や6インチ(約25.2センチ)の蒸気パイプを進んでいったが、その中には別のパイプが挿入されていたり、バルブが設けられていたりしたものもあった。さらに、垂直によじ登る動きも問題なくこなした。

実験が行われた施設は、1970年代に建設されたが一度も稼動したことのないオーストリアのツヴェンテンドルフ原発だったが、大学側のチームは現場作業員とのブレーンストーミングから多くの課題を得たという。たとえば、ロボットを防水性にする必要性や、万が一の場合にパイプの奥からロボットを取り出せるようにするしくみなどだ。

このヘビ型ロボットは、ヘビのように人間には入り込めない場所に侵入できるが、同時に生物のヘビにはできない動きも可能という。生物からヒントを得て、生物以上の性能を持つ。これこそロボットの極意と言える。

プレスリリースはここ。実験レポートはここ。『ロボッツネット』の記事はここ。ビデオはここ


ホワイトハウスの『オレたちはギークだぜ』シリーズで、ロボット論議

ホワイトハウスでは、『We the Geeks』というビデオ・シリーズを放映している。「オレたちは、ギーク(テクノロジーオタク)だぜ」とでもいう意味で、ホワイトハウス内のテクノロジーおよび科学政策に関するオフィスが主催し、複数の人々が参加できるテレビ会議システム、グーグルプラス・ハングアウトを使って、いろいろなテーマで専門家が話し合うというしくみだ。

これまで取り上げられたテーマはなかなかに興味深いものばかりで、「小惑星」「21世紀的な履歴書とは」「社会貢献におけるイノベーション」「スーパーヒーローのための新素材」などがある。

8月初頭に開かれたのは「ロボット」論議。同オフィスのヴィージェイ・クマー氏(ロボティクスおよびサイバーフィジカル・システムズ部門アシスタント・ディレクター)とトム・カリル氏(テクノロジーおよびイノベーションの次席ディレクター)がモデレーターとなって、以下の人々が参加した。

・ロドニー・ブルックス(リシンク・ロボティクス会長)

・ダニエラ・ラス(MITコンピュータ科学およびAIラボ(CSAIL)のディレクター)

・マシュー・メイソン(カーネギーメロン大学(CMU)ロボティクス・インスティテュートのディレクター)

・ロビン・マーフィー(テキサスA&M大学ロボット支援による捜索および救援センターのディレクター)

・アリソン・オカムラ(スタンフォード大学コラボラティブ・ハプティクスおよびロボティクス医療ラボの主席研究員)

ジョン・グリーン(小説家、ビデオ・ブロガー)

50分足らずの話し合い中、STEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学教育)に関する話題も多かったが、その他にもおもしろかった発言を以下にいくつか挙げておこう:

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採血ロボットの登場

シリコンバレーのスタートアップが、人の腕から採血できるロボットを開発中という。『IEEEスペクトラム』が伝えている

この会社ヴィーボットは、特に毎時間10数人ペースで採血作業をする臨床試験現場や研究の場での利用を想定して、このロボットを考案した。腕を固定すると、カメラが捉えた画像と解剖学モデルを照合して目標の血管を特定した後、超音波で血流の強さを確認。その後、ロボットアームが向きを調整して採血針を差し込む。ここまで約1分でできるという。人間がやるのは、試験管を付け替えるだけだ。

現在のところ、ヴィーボット社のロボットは83%の確率で最適な血管を特定でき、これは人間のテクニシャンと同程度。同社はこの数字を90%まで向上させ、安全性と労力の面で人間に置き換わるロボットとして完成させたいという。

アメリカだけでも、採血作業は年間10億回も行われ、これだけで90億ドルの市場。静脈注射は2億5000万回も行われているという。人々がロボット採血を気味悪がらなければ、大きな可能性のあるロボット市場だ。


尻尾で動きをコントロールする超小型ロボット

ミシガン州立大学エンジニアリング学部のロボット研究者たちが開発した「テイルボット(TailBot)」は、尻尾を動きのコントロールに用いる超小型ロボットである。

開発のきっかけになったのは、自然界で昆虫などの生物が動きの方法のひとつとして尻尾を利用しているという事実。そのしくみを、高さ7.5センチ、重さ26.5グラムのテイルボットにも応用しようと考えた。

テイルボットは走る,跳躍する、空中での向きをコントロールするという3つの動きが可能。動力、センサー、コントロール、ワイアレス通信機能も、この小さなボディに統合されており、自律的に動くことができる。階段や壁に上りながら、人が入り込めない難しい場所へ侵入していくさまが想像できる。

この研究は、11月東京での知能ロボットとシステムに関する国際会議(IROS)で発表される模様。プレスリリースはここ


ディズニー・リサーチ開発の「目」は、3Dプリントされた画像プロジェクター

ピッツバーグのディズニー・リサーチが、ロボットやインタラクティブなキャラクターおもちゃに使える表情豊かな目を開発した。この目は、光学ファイバーを盛り込んで3Dプリントされたもので、表面に画像を映し出すことができる。

ディズニー・リサーチでは、すでに光学要素を3Dプリンティングに盛り込む技術が開発されており、「パピロン」というこの目のプロジェクトもこれを用いている。それによって、従来のアニマトロニクス的な方法よりも、アニメのキャラクターっぽい非現実的、誇張表現的な目が実現できるという。

ビデオでは、居眠りする「ZZZZZ…」や「♡(ハート型)」が目に浮かび上がる。目のサイズも小さくできるのが特徴で、ここに登場するキャラクターはすべてソフトボールほどの大きさという。小さなかわいいキャラクターが目の表情いっぱいに訴えかけてきたら、すぐにコロリと参ってしまうかも、である。

プレスリリースはここ


『ナショナル・ジオグラフィック』誌は、ロボットやドローンを使って、野性動物を撮影

自然の風景や野生動物を、美しい写真に収めることで知られる『ナショナル・ジオグラフィック』誌は、撮影テクニックの点でも先端技術を取り入れている。最近はロボットやドローン(無人航空機)である。『ヴァージ』が詳しく伝えている

ドローンは、広大な風景や野生動物の生息を伝えるのに最近よく使われる手法だが、このカメラマン、マイケル・ニコルズ氏はタンザニアのライオンを撮影するにあたって、動物を上から見下ろすというやり方が失礼だとどうしてもがまんがならず、ついにロボットで超接近するというやり方を思いついたらしい。

「ミニタンク」と名付けられたこのロボットはリモートコントロール可能で、ノースキャロライナ州のスーパードロイド・ロボッツ社が製造したという。同社は爆弾除去ロボットの製造専門会社だという。

カメラマンのクルーは、近くに駐車した車に待機し、コンピュータ画面で画像をモニターしながら、シャッターを切った。ミニタンクは、ライオンを警戒させないようにソロソロと動き、子供ライオンがくつろいで大きなあくびをするところまで間近に接近している。ライオンのからだのシワのひとつひとつまで見えるこれらの写真は、迫力万点である。

ところで、ドローン撮影で言えば、ニュージーランドのドローン開発グループ、チーム・ブラックシープが撮影した下の画像も話題になっている。気持ちいいのどかな風景と一緒に、羊の顔の表情まで見える。技術の進歩によって、われわれが目にできるものが確かに変わってきた、と実感する。


ロボットには「頭」が必要?

ロボットの情報サイト「ロボハブ」では、専門家たちに興味深い質問を投げかける記事を定期的に上げている。今回は、「ロボットには頭が必要か?」という内容

まず、記事の冒頭文が面白い。これ自体、アメリカのロボットが日本のヒューマノイド・ロボット文化とはかけ離れていることを示しているからだ。

「ロボットは機械。そして、ほとんどの人々がロボットの存在意義は実用性だと考えている。」

さて、専門家の意見は以下の通り:

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