助けを求めるロボットの重要なポイント

「スミマセ〜ン。ちょっとそこの棒を取って下さい」。

そんな風に、人間に助けを求めるロボットを『IEEEスペクトラム』が紹介している

これは、MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されているIKEAの家具を組み立てるロボット。以前ロボニュースでも紹介したことがあるが、クカ社のユーボットを利用したものだ。

そのロボットに逆意味アルゴリズム(inverse semantic algorithm)を統合すると、解決できない問題や間違いを認識し、それを解決するために何が必要かをはじき出して、人間がとれる行動に翻訳して助けを求める。あらかじめプログラムされているわけではなく、あくまでもアルゴリズムが動作するので、新しい状況にも対応するという。

ビデオを見ると、ロボットが「ちょっとすみません」とか、「白い板を裏返して下さい」、「ありがとうございます。あとは大丈夫です」などと言っている。そのさまがおかしくて噴き出してしまいそうになる。

だが、ここでは人間としっかりコミュニケーションができるように、ロボットは直面している問題のコンテクストに合った方法で、自然言語で名詞、動詞を用いて発言し、的を得た、クリアーで簡潔な表現で助けを求められるようにしているという。たとえば、「黒いテーブルの上に載っている白い棒を、青色のロボットに渡して下さい」といったような具合だ。実に具体的に言うのである。

ビデオでは、ごく基本的な言語表現しかしない場合にはどうなるかも見せている。そこでは、ロボットが「すみません。ちょっと手伝って下さい」と言うだけ。人間は、2台のロボットの前で、どちらのロボットがどんな助けを必要としているのかがわからない。そうなるとロボットは問題が解決できずに、そのままフリーズしてしまう。より具体的なことばで助けを求めれば、ロボットは問題に直面した状態から回復して、タスクを遂行することができるわけだ。

これからのロボットと人間の関係を考えると、これは非常に興味深い。完全に自律型のロボットが完成するまでにはまだまだ時間がかかる。だが、もしロボットにできないことを人間がちょっと手伝ったらどうなるだろうか。ロボットができることはもっと広がるはずだ。

ここで重要なポイントはこれだ。ロボットと人間、ふたり(?)で力を合わせれば、もっとたくさんのことができる。つまり、ロボットだけでなく、人間もセットで捉えるロボット開発のアプローチもある。そして、ロボットが人間を助けるだけでなくて、人間もロボットをヘルプできる!

アルゴリズムは、MITのコンピュータ科学および人工知能ラボ(CSAIL)のロボットセンターで開発された。論文はまだインターネットには上がっていないようだ。