テスラも自律走行車開発へ。自走車のロードマップはどうなる?

シリコンバレーでは自走車実用化への期待が本格的に高まっているが、電気自動車メーカーのテスラも3年以内に「90%自走する」車を発表する。「ファイナンシャル・タイムズ」が伝えている。3年というと2016年。その頃にもう「ほとんど自走車」という製品が路上を走っているとは、すごいことである。

テスラCEOのイーロン・マスクは、90%自走と「100%自走との間には、非常に大きな溝が横たわっている」と語る。完全自走をめざすよりも、まずは製品化して市場で売れる車を作ろうという選択をしたということだ。

テスラなら、自走車もかっこよくなる?(http://www.teslamotors.com/より)

テスラなら、自走車もかっこよくなる?(http://www.teslamotors.com/より)

テスラは自走技術については「自社内で開発している」といい、現在も「車両レベルの意思決定システム、横方向、縦方向コントロール技術の開発」に関連した人材を募集している。

数ヶ月前、テスラがグーグルに自走車の共同開発を持ちかけているというニュースが伝えられていたのだが、それが実を結ばなかったということだろう。マスクは当時、グーグルの「センサー・システムが高くつきすぎる」ことを指摘していた。センサーよりも「光学システムで、カメラとソフトウェアが回りの状況を認識する方がいい」という。グーグルのシステムは、光検出と測離(LIDAR)を用いている。グーグルの共同創設者二人はテスラに創業資金を提供した投資家でもあるのだが、両社はソフトウェアの面で折り合いがつかなかったと見られる。

こうなると、テスラの自走車進出はグーグルへの挑戦ともなる。グーグルは、実際の車を製造する提携先探しが難航しているとされるのだが、2018年には市場に投入したいと明らかにしていた。どの程度の自律レベルなのかははっきりしないが、テスラの2016年、グーグルの2018年は、いずれも自動車業界の現時点でのおおまかなロードマップを、はるかに前倒ししたものだ。

ロボニュースは、今年7月にスタンフォード大学で開かれた会議『自律走行車ワークショップ』に参加した。自走車が実用化されるまでには、技術だけではなく、規制やドライバーの訓練などさまざまな整備が必要になる。そうしたことを話し合うという目的で開催された会議である。

その中でミシガン大学ディアボーン校コネクティッド・ビークル・プロバイディング・センター(CVPC)がプレゼンテーションを行ったところでは、制限付きの自走車が市場に導入されるのが2020年という見通しだった。これは自動車業界の動きとも合致したもの。

自走車の市場化への道のり(ミシガン大学ディアボーン校のプレゼンテーション・スライドより)

自走車の市場化への道のり(ミシガン大学ディアボーン校のプレゼンテーション・スライドより)

自走車は、その自律レベルによって5段階に分類されており、現在市場に出回っているのは、すでに一部機能が自動化されている第2レベル。そこから自律機能がより混合された第3レベルがあり、さらに第4レベルで完全な自律走行が可能になる。ただし,ドライバーが同乗して緊急事態などに対応する。それを超えると、「ロボタクシー」と呼ばれるレベルになり、車がドライバーなしに独自に物を運んだり、人を迎えにいったりする。

テスラとグーグルの自走車は第3と第4レベルあたりのものと予想され、このロードマップによると、2020年から2025年くらいにハイウェイや市街地でのテスト走行がやっと始まると予想されているものだ。2016年、2018年はそれよりもかなり早い目標である。

いずれにしても、スタンフォード大学開発の自走車(後にグーグルに受け継がれた技術)がDARPA(国防高等研究計画局)のチャレンジで優勝した2005年には、まだ未来の夢物語に感じられたが、もう自走車はしっかりと現実の射程距離に入ってきたということだ。