ドローンが巻き起こした最近のトラブル

アメリカでは、ドローン(無人航空機)の商用化がまだ進んでいない。現時点では、ホビイストがドローンを飛ばせる区域も、商用航空機や警察活動を干渉しないよう厳しく定められており、高度も400フィート以下。私有地の農場でもない限り広い空で思う存分ドローンを飛行させるというわけにはいかない。

2015年末までにはFAA(連邦航空局)による規制が改訂されるものと予想されているものの、ホビイストやドローン開発者は待ちきれず飛行させて、何らかのトラブルを引き起こすといったケースも数々見られる。最近の例をレポートしよう。

マンハッタンのビルの間を飛行し、路上に墜落したドローンのビデオから

マンハッタンのビルの間を飛行し、路上に墜落したドローンのビデオから

もう少しで職を失いそうになったのは、コネチカット州のテレビ局のカメラマンだ。2月初め、自動車による致死事故が起こった際、上空にドローンを飛ばし、ビデオでその状況を記録していたのだ。

このカメラマンは、警察に尋ねられて「個人で飛ばしている」と返答。実際彼は、ドローンのホビイストで何度もドローンを利用してきた。これまでトラブルになったことはなかったが、今回は目を付けられた。もし、テレビ局として飛行しビデオを回していれば、完全な違法行為になった。

その後、出社したカメラマンは数日間の停職処分に。FAAも調査を行っていたというが、あくまでも個人としての利用が証明できれば問題はないはずという。

このケースでは、ビデオ撮影された画像はりっぱに放映用に使えるほどのクオリティーだっただろう。個人とプロとしての商用の境は微妙である。

ただ、このカメラマンは経験あるホビイストとしてドローンのコントロールに慣れていた例。問題は、ヘタなアマチュアがドローンを飛ばしてトラブルを起こすケースだ。

昨秋には、ニューヨークで38歳の男性が逮捕された。彼がビルのバルコニーから飛ばしていたドローンが、グランドセントラル駅へ急いでいた歩行者の足下に墜落。そのドローンのカメラに残っていた映像から、この男性が割り出された。

ドローンは都市部では飛ばしてはならないことになっており、その法律に違反しての逮捕だが、墜落時に人に危害を与えなかっただけでも幸運だっただろう。あるいは、他の商用航空機のエンジンに取り込まれてもっと重大な事件になっていたかもしれない。近隣の窓の外を飛んでいくドローンのビデオを見ていると、プライバシーの問題も無視できない。

同じタイプで、まるで笑い話のようなケースがこれだ。

ワイオミング州で、結婚式を前にしたカップルが思い出の写真集を作ろうとカメラマンに撮影を依頼。ふたりが緑の草原で額を寄せ合うところを、ドローンが上空から映像に収めるはずだった。ところが、その代わりにドローンは花婿の額に激突。血を拭って、すぐに撮影が再開されたという。下のビデオがその時の映像だ。

もっと深刻な事件もあった。昨年9月、ニューヨークのクイーンズの公園でリモート・コントロールのモデル・ヘリコプターを飛ばしていた19歳の青年が、そのヘリが頭にぶつかって死亡した。ヘリは全長数メートルもある大型のものだったという。

2015年末まで待たずに規制を緩めるべきというドローン賛成派の主張も根強いというが、規制の内容、プライバシー問題だけでなく、飛ばすユーザーの技能を保証する免許も必要ではないかと言われ始めている。ドローンのかなりの盛り上がりを見ると、規制はまったく追いついていない状態だ。