ホームブリュー・ロボティクス・クラブ訪問記

シリコンバレーには、ホームブリュー・ロボティクス・クラブ(HBR)というロボット愛好家たちの集まりがある。

かつて、パーソナル・コンピュータを生み、アップルのスティーブ・ジョブズらもよく顔を出したホームブリュー・コンピュータ・クラブは有名だ。同クラブは70年代後半に活動を停止したのだが、その「焼け跡から立ち上がった」のがHBRだと、ウェブサイトには説明されている。実際顔を出してみると、気のせいか、70年代の雰囲気を残したギークな人々が散見される。

ホームブリュー・ロボティクス・クラブのミーティング風景

ホームブリュー・ロボティクス・クラブのミーティング風景

HBRは、毎月1回場所を変えて全体ミーティングを開催しており、グーグルをはじめとした地元企業の協力を得て、そのスペースを借りて行われている。1月末は、グーグルのオフィスビルのひとつ、カフェテリアでの会合だった。

ミーティングは午後7時から10時まで。この日は200人近くが参加していたようだ。年齢層は実に幅広く、小学生と見受けられる子供たちから高齢者までいる。ホビイストもいれば、企業でロボット開発に関わっている専門家もいる。「ロボット」で結ばれた雑多な人々の集まりだ。会員は年会費(10ドル)を払うことになっているようだが、このミーティングはオープンで、誰が参加してもいい。

最初に事務的事項の連絡(ロボット関連イベントでのボランティア募集など)が終わると、参加者が楽しみにしている「Show & Tell」が始まる。これは、開発者が、自前のロボットを持ち込んでみなに披露するというもの。驚いたことに、この日登場した5人うちの2人は子供だった。子供でも容赦なしに、参加者から質問やコメントが出てくる。子供の方もそうしたやりとりに慣れているらしく、大勢の大人を前にして緊張するどころか、熱心にコメントに耳を傾けているのが印象的だった。

「Show & Tell」には、そんな子供も登場すれば、精巧なロボットを作っているホビイスト、企業の開発者も披露する。この日は、スータブル・テクノロジーズ社の社員も参加。新しいビーム・プラスを持ち込み、遠隔地の社員がそれを通して説明に加わるという趣向だった。

「Show & Tell」が終わると、司会者が「子供たちにはもう遅い時間だから」と言うのを合図に、子供たちは親に連れられて退場。そこから、スピーカーのプレゼンテーションが始まる。この日は、グーグルの自走車開発メンバーである、ブライス・レブセイメン氏がROSを用いて何をやっているのかを解説した。参加者には興味津々の話題だ。

グーグル自走車開発でROSを用いているブライス・レブセイメン氏のプレゼンテーション

グーグル自走車開発でROSを用いているブライス・レブセイメン氏のプレゼンテーション

これが終わると、「ランダム・アクセス」と名付けられた時間に入る。参加者それぞれが持ち寄った開発をテーブルの上に広げ、アドバイスを乞うたりコメントをつけたりする。

HBRは、綿々と続いてきたロボット開発者の交流の場であり、また刺激の場なのである。