グーグルに買収されたメカ・ロボティクス社の道のり

グーグルに買収されたロボット会社のひとつ、メカ・ロボティクス社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスピンアウトで、卒業生のアーロン・エドシンガーとジェフ・ウェーバー両氏によって2006年に共同創設された。

現在は、グーグルのロボティシスト・ディレクターという肩書きになっているエドシンガーのこれまでの道のりが、MITのサイトに出ている

メカ・ロボティクス社のM1可動マニピュレーター。モノを持ち上げて運ぶために設計された。アームはスムーズに動き、コンプライアンスを備えている。

メカ・ロボティクス社のM1可動マニピュレーター。モノを持ち上げて運ぶために設計された。アームはスムーズに動き、コンプライアンスを備えている。

エドシンガー氏は、スタンフォード大学でコンピュータ科学を収めた後、MITへ移籍。ロドニー・ブルックス教授のヒューマノイド・ロボティクス・グループに加わった。同グループでポストドックを続けている間に、「どうしてもロボット会社をつくって、現実の世界にインパクトを与えたい」という衝動が押さえきれなくなったという。

そして、MITのコンピュータ科学および人工知能ラボ(CSAIL)の研究エンジニアだったウェーバー氏と、それらしいビジネスプランもないままにサンフランシスコへ移り、メカ・ロボティクス社を共同創設。研究用などに技術を提供して収入を得て、9ヶ月後に商用ロボットアームを生んだ。

その後は、アーム、ハンド、トルソー、ベースなどをバラバラに売り始め、そのうちDARPAからの補助金で水中ヒューマノイド・ロボットや外骨格などを開発したという。

エドシンガー氏とウェーバー氏は、サンフランシスコに移ってからは劇場用の擬人的ロボット装置を製作するアーティストであったこともある。MIT時代に身につけた、人とインタラクトするコンプライアンスを備えたロボット、そして、アーティストとして身につけた美的デザインやスケール感、人間への親しみやすさの希求が、独自のアプローチを生んだという。

メカ・ロボティクス社は、後にSRI、ウィロー・ガレージと共にレッドウッド・ロボティクス社に合資。エドシンガー氏は、レッドウッド・ロボティクス社のCTOに就任する。メカ・ロボティクス社で開発されたロボットアームをさらに洗練させて、製造用に開発を進めた。レッドウッド・ロボティクス社もグーグルに買収された。

グーグルの買収によって、ロボットのイノベーションがこれから起こると同氏は見ているという。「過去10年間でソーシャル・メディアで起こったようなスタートアップの波が、今後10年間にロボットで起きてほしい」。