テレプレゼンス・ロボットの、いいところと困ったところ

テレプレゼンス・ロボットについては、ロボニュースも何度か紹介してきたが、『ニューヨーク・タイムズ』が消費者に手の届く値段に近づいたビーム・プラスを取り上げながら専門家の意見も掲載している。参考になるので、紹介しておこう。

会社にいるお父さんが、子供部屋をこんな風に覗きに来る? (http://spectrum.ieee.org/より)

テレプレゼンス・ロボットは仲介者であっても、理想的な代理ではない?(www.suitabletech.com/より)

スータブル・テクノロジーズ社のビーム・プラスは、前売りが995ドルという破格の値段。出張中の父親が子供たちを寝かせたり、遠方に住む高齢者の母親を訪ねたりがこれでできるようになると、注目度は高い。だが、テレプレゼンス・ロボットについて注意が必要と語るのはこんな声だ。

イギリスのシェフィールド大学でAIとロボティクスを教えるノエル・シャーキー教授は、「テレプレゼンス・ロボットで高齢の母親を訪ねればいいと思うようになれば、たった5マイル先の母親も、いいテレビ番組があるからとか、きっと大丈夫、などと理由づけて実際には訪ねなくなる」と語る。

オールド・ドミニオン大学で哲学と宗教学、ロボットの倫理を教えるイヴェット・ピアソン准教授も「テレプレゼンス・ロボットがあれば、実際に訪問しなくていいと正当化するようになる。それは、われわれのような分野にいる人間にとっての懸念」とする。だが一方で、「人間がロボットを操作したり、スクリーンに映ったりして関わっていることは救い。ロボットは人間の代理ではないが、仲介者にはなっている」と付け加えている。

シャーキー教授も、薬をちゃんと飲んでいるかなど確認をするなどの目的では利点があるが、実際の空間を共有したりハグしたりができないなど、本当の代理にはならないと言う。

ジョージア工科大学でヒューマン・ファクターと高齢化ラボのディレクターを務めるウェンディー・ロジャーズ教授は、「われわれの調査によると、高齢者はロボットが自分の家に来ることにオープンであることがわかった」と語っている。もちろん、すべての高齢者に抵抗感がないわけではないが、普通で考えているよりももっと受容しようとしているという。

同じくジョージア工科大学ロボティクスとインテリジェント・マシーン研究所のチャールズ・ケンプ教授は、「家庭に可動ロボットが入り込むようになると、そこにアームをつけて、洗濯物を畳んだり薬を取り出したりさせられるようになるかもしれない。テレプレゼンス・ロボットは、そんなパーソナルなケアをするロボットへの第一歩」と言う。

テレプレゼンス・ロボットで、ロボットが身近に感じられるようになったことだけは確かだ。