ロボット導入による、病院での効率化の数字

『ホスピタル・パーチェス・ニュース』が、看護士の病院での仕事がロボット利用によってより患者に向けられるかを調査した結果を報じている

病院では、こうした自律搬送ロボットの利用が増えている(http://hospitalpurchasingnews.com/より)

病院では、こうした自律搬送ロボットの利用が増えている(http://hospitalpurchasingnews.com/より)

それによると、看護士が1日に病院内を歩行する距離は、普通病棟で3.89マイル(6.26キロ)、ICU病棟で5.13マイル(8.26キロ)という。また、看護士が実際に患者の傍ですごす時間は31%に過ぎず、残りの時間は移動、必要品を探す、医療記録のデータ入力などの付加価値のない作業に費やされているという。オーストラリアの同様の調査でも、患者のために過ごす時間は37%だったという。さらに、患者に薬品を供給している時間を含め、看護士の仕事は中断されることが多く、作業は断片的になりがちという。

こうした状況にロボットを投入するとどうなるか。950床近くを擁するあるフランス北部の病院が、1階の薬局と2階の病室の間で自動搬送ロボットを走らせて、それを調べた。ロボットは、薬局で薬剤師が載せた薬品をナースステーションや病室に自律的に運び、途中の経過はラップトップでモニター可能で、到着予定時間もわかる。

ロボットによって、看護士が動き回る時間が短縮される。(http://hospitalpurchasingnews.com/より)

ロボットによって、看護士が動き回る時間が短縮される。(http://hospitalpurchasingnews.com/より)

その結果、ロボットは看護士の10分に比べて15分と、往復に時間がかかったものの、患者7人分(看護士は2人分)の薬品を搬送でき、総合して1日あたりの往復を25回から9回に減らせたという。また、看護士が1日250分かけてものを運んでいたのは、ロボットならば135分に短縮でき、そのおかげで看護士は1日250分の時間をさらに患者に向けることができるという。

この記事では、最終的には1週間で54時間の時間節約となり、看護士1.5人分の仕事がカットできたとしている。ロボット導入による効率化が、患者へのケアの向上につながるのか、それともただの人員カットになるのかは、関係者の思慮深い判断を要する点だろう。