「不気味の谷」を超えるための、ちょっとした動作

3月初めにドイツのビーレフェルトで開かれたヒューマン・コンピュータ・インタラクション会議(HRI 2014)では、人間がロボットを受け入れやすくなるようなしかけを模索する研究がいくつか発表された。ロボットの不自然さをちょっとした振る舞いでカバーし、人がロボットに感じる不気味さを超えようとするものだ。『ニュー・サイエンティスト』が伝えている

ロボットやバーチャル・エージェントでは、視線の動きが相手を自然なきもちにさせる(http://hci.cs.wisc.edu/projects/gaze/より)

ロボットやバーチャル・エージェントでは、視線の動きが相手を自然な気持ちにさせる。ショーン・アンドリスト氏らの研究(http://hci.cs.wisc.edu/projects/gaze/より)

イギリスのプリマス大学の研究フェローのロビン・リード氏トニー・ベルペーム教授は、音を利用。弾んだ音とメランコリーな音をナオに組み込み、叩かれたりキスされたりした後に音が出るようにした。300人を相手に調査したところ、ロボットが音を出す方が、人はロボットとの関わりを深く感じるという。

頭の動きと視線を用いているのは、ウィスコンシン大学マディソン校大学院生のショーン・アンドリスト氏。顔認識機能によってロボットはいつも相手を見ることができる。しかし、凝視する代わりに、時々向こうを見やるような視線の動きを盛り込んだところ、人はロボットが目的を持ち、思慮深いと感じたという。また、ロボットのやりとりが不自然に中断されることも少なかった。

バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学の博士課程学生エイジュン・ムーン氏は、PR2ロボットを使い、人へのモノの手渡しの自然さを研究している。ロボットがまず相手に目をやり、その後で手渡しの起こる点に視線を移すことが必要という。

同じような手渡しを研究しているカーネギー・メロン大学の博士課程学生アンカ・ドレーガン氏は、ロボットがモノを受け取る際には、1秒にも満たないものでも多少遅れのある方が自然に感じられるという。

人間的な振る舞いには、人間自身も気がつかない繊細さやニュアンスがある。ロボットがそんなことを習得している。