ロボットのスタートアップがおかしがちな法律トラブル

IP(知的財産)と訴訟問題を専門にする法律事務所デイビス&ギルバートの弁護士、C.アンドリュー・キースナー氏が、ロボットのスタートアップが起こしやすい法律問題を10点挙げている。『ロボティクス・ビジネス・レビュー』が伝えている

同氏は、先だっての『ロボビジネス2014』会議でもセッションを持ち、多くの聴衆を集めていた。日米で環境の違いもあるが、参考になる点は多いだろう。

C.アンドリュー・キースナー氏(http://www.dglaw.com/より)

C.アンドリュー・キースナー氏(http://www.dglaw.com/より)

  1. パフォーマンス達成やコミットメントに関する適切な条件なしに、社員に株式を与えてしまう: どんなスタートアップでも、ある程度社員の入れ替わりがある。短期間で辞めてしまった社員に対しては、業績に応じて株式を買い戻す規約も必要。
  2. 製品機能を過大に記述する: ロボットに対する消費者の期待は高い。ウソをついていないと思っていても、ユーチューブや展示会のチラシにいたるまで気を配らないとトラブルになる。
  3. 争議へ発展しそうな危険を無視する: 争議は、早めに友好的な条件で解決すれば収まるが、放っておくと後に訴訟に発展して高いコストがつくこともある。
  4. 製品に関する法的規制を見落とす: 食品、通信、航空関連規制など、自社製品に関わってくる規制を早めに把握していないと、後にコストがかさみ、製品リリースが遅れ、またそれ以上の悪影響が出る。
  5. IP(知的財産)の基礎を知らない: 自社の核心となるIPの保護の方法、自社の将来の目的、IPを他の産業でマネタイズする方法などを知っておくことが重要。ロボットへの熱意のあまり、ユーチューブなどで自社のIPを知らずに公開してしまっている例もよく見られる。
  6. 既存のIPの状況を理解していない: 自社製品に関連する既存のIPがあるか、誰がそれを所有しているかを知っておけば、リスクを減らし、自社の価値を上げることができる。
  7. インターンや高給取りの社員に残業代は不要と思い込む: 残業代についての州法や連邦法を理解していないスタートアップは多い。また、インターンや社員の役割についても熟知している必要がある。
  8. 社員の怠慢や不当行為を記録しそこねる: 社員の怠慢な勤務状態などは記録しておかないと、後に争議になった際に自己防衛できない。
  9. プライバシーやデータ・セキュリティーを無視する: どんなに小さな会社であっても、データ収集のために許可が必要か、また社員が自分のデバイスやクラウド・ストレージを業務用に用いているかどうかは把握しておくべき。
  10. 秘密保持契約(NDA)に対して無知: NDAは、使うべき時もあればそうでない時もある。ビジネスの障害にならない範囲でどう使うかをよく心得ておくべき。相手が友人や知り合いであっても、NDAが必要なケースもある。