形状記憶する人工筋肉

イギリスのケンブリッジ大学で、形状を記憶する人工筋肉が研究されている。『IEEEスペクトラム』が伝えている。研究を行っているのは、同大学素材科学と冶金学部の研究者ストヤン・スムコフ氏

S0, S1というあらかじめプログラムされた形状に戻るポリマーの研究(http://spectrum.ieee.org/より)

S0, S1というあらかじめプログラムされた形状に戻るポリマーの研究(http://spectrum.ieee.org/より)

電流を流して動かせるスマート・ポリマーは、すでに人工筋肉として注目されており、ロボットに利用できる人工筋肉や義手などでの利用が期待されている。スムコフ氏の研究は、形状記憶機能を盛り込んだイオン伝導アクチュエーターが、熱などの刺激によって2種類、あるいは3種類の形状間を行き来するもの。これによって、「さまざまな機能や機能の組み合わせが実現できるようになる」と、スムコフ氏は語っている。

形状はポリマーに熱を加えることでプログラムし、目的のかたちまで変形させる。そこで冷却することでポリマー分子をロックさせて形状を固定。その形状は、再び適温に過熱することで元に戻る。研究で用いられたのは、ナフィオン(Nafion)という市販の電気活性ポリマー(EAP)。過熱する温度と電圧の組み合わせで、素材の長さや形状をいく種類にも変えることができた。

スムコフ氏は、実際の応用方法はまだわからないが、アクチュエーターだけでなく温度や水素イオン濃度のセンサーなどとしても使えるはずとしている。