2014年たまっていたイベント・レポートまとめ<その2>Xコニミー『ロボ・マッドネス会議』

ロボニュースが今春からため込んでいたイベント・レポートを、写真を中心に報告するまとめの第2回。今回は、4月末に開かれたXコノミーのロボット会議『ロボ・マッドネス(Robo Madness)』を取り上げたい。

ここで最も印象的だったのは、この風景。

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これはスータブル・テクノロジーズ社のスコット・ハッサンCEOのプレゼンテーション後半の様子で、テレプレゼンス・ロボットが2人(?)、所狭しとステージに上がっている。

最初ハッサン氏は、1台だけで登場した。そもそもスータブルは地元企業なので、テレプレゼンス・ロボットにしなくてもいいのだが、これもプレゼンテーションの一環。遠隔地から講演もできるということを見せたかったわけだ。

それだけではない。遠隔地からテレプレゼンス・ロボットで講演をしながら、さらにカンザス、ロンドン、中国のテレプレゼンス・ロボットを操作して、現地の顧客企業や工場を訪問する様子をリアルタイムで披露。

どこにいても、居ながらにして世界中のロボットも操作できるということを強調した。こちは、まるでアクロバットを観ているような気分だったが、このプレゼンテーションに説得力があったのは確か。

上の写真は、後半になって同社社員がもう1人、これまたロボットで登場という図。2人でプレゼンテーションをしているところだ。生身でその場にいるのは観客だけ、という妙な気分である。

ハッサン氏は、スータブル・テクノロジーズ社はロボットだけでなく、システムも作っていると強調。こうした方々にいるテレプレゼンス・ロボットを操作できるプラットフォームのことだろう。ロボット自体はMVP(ミニマル・バイアブル・プロダクト=最低限必要な機能を搭載した簡単なもの)だが、「これが正解だと思っている」と語った。

さて、下は、サイファイ・ワークス社のヘレン・グレイナーCEOプレゼンテーションから。ドローンの開発のロードマップが2019年まで描かれている。ロードマップは一般的なドローン業界の展開を予測したものだが、同社もおそらくこれに合わせて開発を行っているのだろうと思わせるスライド。

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現在は、ホビイスト中心のドローンは、数年後には警備や設備メンテナンス、農業などでの用途に使用されるようになり、さらに2017〜18年ごろにはデータを解析してオペレーションを評価するといったことができるようになる。そして2019〜20年にはデリバリーにも利用されるとした。

アマゾンのドローン配送はまじめな取り組みで、この時ですでに40人以上のスタッフがいると語っていた。アマゾンは最近、ドローン関連の人材を募集しているので、スタッフはもっと増えているだろう。

グレイナー氏は、「真似されないような技術を搭載して、他と差異化することが必要だ」と述べた。ドローンによるデリバリーは、サイファイ・ワークス社にとっても「スイート・スポット」だと言う。

下は、今はなくなってしまったアンバウンディッド・ロボティクス社のメロニー・ワイズCEO(当時)のプレゼンテーションから。

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おそらくこれがアンバウンディッド・ロボティクス社がウィロー・ガレージからスピンアウトするベースになったのだろうと思わせる「プラットフォーム・ボット・プロジェクト」のプロセスを説明した。

このプロジェクトはウィロー・ガレージで5ヶ月間で進められたたもので、ローコストなモバイル・マニピュレーターを開発するというのが目的。その中でニーズはどこにあるか、どんな技術を搭載するか、デザインはどうするか、といったことを詰めていくうちに、複数あった案が1つにまとめ上げられていった過程を説明した。

環境が多様な家庭へ適応させるロボットはまだまだ難しく、 高齢者施設などは、車椅子アクセスなどの規制に基づいて設計されているために、その難易度は少しは低くなる。しかし、もっとも適応させやすいのは、工場などの産業環境だとした。

「ロボット開発者は、自分たちのロボットを使ってもらえるものと考えているが、それこそ問題。開発にユーザーのフィードバックを取り込む必要がある」とワイズ氏は強調した。

モバイル・マニュピュレーターは、最近よく出てくる話題。アンバウンディッド・ロボティクスのUBR-1が陽の目を見なかったのは残念だが、身の回りで動き回ってくれるロボットの登場を期待したい。