2014年たまっていたイベント・レポートまとめ<その3>コモンウェルス・クラブ『ロボット教育について』

ため込んでいた2014年のイベント・レポートまとめ第3回は、4月22日にサンフランシスコのコモンウェルス・クラブで開かれたパネル・ディスカッション『教室に入ってきたロボット』について報告したい。

左から、グプタ氏(アイプレイ社)、ヴァイディヤンナサン氏(ロスアルトス市教師)、インバー氏(ロボッツラボ)、モデレーターのバーセギアン氏(ラジオ局KQED)

左から、グプタ氏(メイクワンダー社)、ヴァイディヤンナサン氏(ロスアルトス市学校区教師)、インバー氏(ロボッツラブ)、モデレーターのバーセギアン氏(ラジオ局KQED)

アメリカの学校では、数年前からSTEMと呼ばれる科学技術教育の重要性が強調されてきた。これからの職業を考えるにあたって、科学的な知識やプログラム能力が欠かせないという視点からだ。その中でロボットを教育現場に導入する動きも少しずつ高まっている。

このパネル・ディスカッションは、そうした現状やロボット教育のあり方について議論が行われた。パネリストの発言の中からいくつか拾ってみよう。

・ヴァイカス・グプタ氏(おもちゃロボット「プレイアイ(Play-i)」を開発するメイクワンダー社CEO ): 「プログラミング能力だけでなく、コンピュテーショナルな思考方法が重視される。たとえば、ガレージのドアがどんなしくみで開閉するのかといったメンタル・モデルを与えることが大切。未来の仕事においては、どんな職業であってもそうした思考方法が求められるようになるはず」、「自社の製品では、メカニカルな外見にならないようにし、箱から出したらすぐに夢中になれるものを目指した。子供たちが自分で動き方などをプログラムして作り出せるようにするのが目的だ」

・シェーナ・ヴァイディヤンナサン氏(科学技術教育に熱心なロスアルトス市学校区教師): 「具体的で現実的なプロジェクトを統合した教育はすでに多くなっている。これからは、生徒たちの間のコラボレーションも重要になる」、「これからの先生は黒板の横に立って指導する立場ではなく、生徒のやることをガイドするような存在。教室で一番重要な人間でなくてもいい」、「男子は、すでにコンピュータがすごいことができると知っている生徒が多いが、女子生徒は機械にすぐに魅了されない分、それで何ができるのかを知りたがる」、「ロボットを教室に導入する際の障害はコストではなく、学校のマインドセット」、「子供が持つプログラム能力は同じでも、シリコンバレーのように親が教えられるような環境と、そうでないところの差が大きくなっている」、「たとえば古代文明の授業の中にプログラミングを入れるなどの試みも起こっている」

・エラッド・インバー氏(ロボット教材を学校に提供するロボッツラブ社CEO): 「ロボッツラブの教育キットは、すでに数100校で利用されている。価格は1セット3500ドル」、「図書館で購入し、それを先生たちが自分の授業用に借り出すという方法が多い」、「数学で教えられている抽象的なコンセプトは、ロボットの動きなどに置き換えると実はそれほど抽象的でないということがわかる」、「ロボットと一緒に踊れる”ロボット・アイドル”というプログラムを作ったら、女子生徒の参加が多くなった」、「アルデバラン社のナオは、自閉症生徒の指導にかなり強力」