2014年たまっていたイベント・レポートまとめ<その5>『ロボビジネス・ヨーロッパ』

今年たまってしまったイベント・レポートをまとめてお伝えするその第5回。5月末にデンマークで開かれた『ロボビジネス・ヨーロッパ』について簡単にご報告しよう。

ロボビジネス・ヨーロッパは、アメリカの東西海岸で毎年交替で開かれている同名の会議のヨーロッパ版。ブルー・オーシャン・ロボティクス社がプロデューサーになっている。

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今回開かれたのは、デンマークのビレンド。レゴ本社のある町で、会場もテーマパーク、レゴ・ランド近くのホテル内の会議場だった。ところで、レゴ本社はこんなこじんまりとした社屋。

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アメリカのロボビジネス会議と比べての違いは、ロボット・メーカーの関係者が多かったこと。またEUが中心となって進めている数々のロボット政策の話題も多かった。

大阪大学の石黒浩教授と並んで基調講演を行ったクカ・ラボラトリー社技術開発部門トップのライナー・ビショフ氏の話から抜粋しよう。

同氏は、ヨーロッパのロボット関連企業と研究機関を統合するeuロボティクスAISBLという組織の副会長も務めており、まずはそこで行ったロードマップの基本となった考え方を次のスライドで示した。

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これは、各垂直産業を横に串刺しするようにロボット産業が成立するという見方。要素技術、ロボット、そしてサービスがそれぞれに組み合わされる。

また、ロボットはすでに多くの産業で使われているというスライドがこれ。

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さらに、自動車産業でのロボットの使い方から航空、医療などの他の分野での利用にイノベーションがもたらされたとしている。

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そして、ヨーロッパでのロボットの新しい潮流として、フレキシブルに利用でき、人と並んで設置できるコンプライアントなロボットが出てきていると説明した。

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農業分野でも、飼育動物にエサをやる、乳牛の乳搾りをする、土壌のモニターをする、噴霧をするなど、研究中のものも含め新しいロボットが生まれているようだ。ちなみに乳搾りロボットは、ヨーロッパでは毎年5000台が売れているという。

以下は、会場の展示の一部。日本のATRの石黒浩研究所からテレノイドも出展されていた。

石黒教授によると、すでに10体ほどがデンマークの病院で使われているとのこと。デンマークは、ことに医療、介護関連のロボットでは新しい技術導入に積極的で、ヨーロッパ各地への入口となるような場所だという。

会場には介護関係のコーナーもあったが、これはアメリカのロボット展示にはあまりない風景。