『emTech 2014』レポート<その2>ドローン・ビジネスのモデル

9月末にボストンで開催された『emTech 2014』会議のレポートも、<その1>の続きをまだお伝えしていなかった。

ロボット関係に絞って、その中から現在ドローン会社として注目を集めているエアウェア社の講演についてご報告しよう。

エアウェア社創業者兼CEOのジョナサン・ドーニー氏

エアウェア社創業者兼CEOのジョナサン・ドーニー氏

同社については、最近投資資金を得たスタートアップの1社としてもご紹介した

同社は2011年創業だが、4年足らずの間にすでに5ラウンドの資金調達を行い、その総額は4040万ドル。グーグル・ベンチャーズGEベンチャーズアンドリーセン・ホロウィッツクライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイヤーズなど有力なVCが投資家に名を連ねている。

同社のモデルは、ドローンというハードウェア単体ではなく、ハードウェア、ソフトウェア、クラウド・サービスを商用ドローンに提供するというものだ。ただ、ハードウェアと言ってもドローンそのものではなく、アクチュエーター、カメラ、センサーなどのさまざまな機能をプラグインできるオートパイロット・システムで、同社のプラットフォームにデータを送信するようなボックスである。したがって、どんなドローンにも利用できるものだ。

多様な機能性をプラグインできるのが、エアウェア製品の強みになっている(http://www.airware.com/より)

多様な機能性をプラグインできるのが、エアウェア製品の強みになっている(http://www.airware.com/より)

「オートパイロット・システムは、既存の製品を利用する手があったが、これはブラックボックスでフレキシビリティーがない。またオープンソースのものもあるが安定性がない。したがってゼロから自分たちで作ったが、非常に難しかった」とドーニー氏は語った。

現在規制の厳しいアメリカ以外での利用が進んでいるようで、フランスの農場、オーストラリアのインフラ監視、ヨーロッパでの鉱業、南アフリカでの人道的活動などに使われている。

農場ならば、画像認識やセンサーで植物の生育状況や土壌の状態をモニターできる。人道的活動では、小さな容器を装着してワクチンや薬品を運ぶといったようなことにも使われている。

同社はドローン・テクノロジーのエコシステムを構築するような存在を目指しており、サードパーティーの製品やアプリケーション、また既存のドローンの技術との相互互換性も確保している。

同社のプラットフォームを利用する利点について、ドーニー氏は「データを収集することによって会計ツールにもなること、監視ツールとしては完全な自動化ができること」などを挙げていた。

ドローンに限らず、ロボットのビジネスのひとつの成功モデルが、このプラットフォームやエコシステム構築のアプローチだろう。ロボットを全体のシステムの一要素として捉える方法だ。