家事ロボットへまた一歩。物体認識の新しいアルゴリズム

家事ロボットが実現するまでには、超えなければならない障害がまだたくさんある。モノの認識もそのひとつだ。

マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学および人工知能ラボ(CSAIL)の研究者らが、ロボットの物体認識を正確に速く行えるアルゴリズムを開発した。同大学が報じている

家の中には雑多なものがたくさんある(www.mit.eduより)

家の中には雑多にモノがある(www.mit.eduより)

このシステムは、通常のアルゴリズムを用いながらそれらをアグリゲートし、ロボットの可動性を利用して多角度から捉えたモノを分析する。これで単一の角度から捉えた場合よりも、4倍多くのモノを認識できるようになり、また間違いも減らせたという。一方、速度も場合によっては10倍速くなった。

研究では、家庭用製品が集合で撮影された20〜30の画像をロボットに見せた。画像によっては同じ製品が含まれているが、多様な角度から捉えられているためモノが重なり合ったりしていて、さらに見分けが難しくなっている。

最初のアルゴリズムではレーダーのようなトラッキング・システムを用いて、毎回捉えるモノのどれが同じかを認識させようとした。これはよく用いられる方法で、連続する2枚の画像からアルゴリズムは複数の仮説を立てて、同一のモノを特定しようとする。

問題は、角度の異なる画像が加わるにつれ、仮説が増えて計算量が膨らむことだ。計算処理を妥当なものに保つために、通常は各ステップでトップの仮説だけを残しておいて最後に整理するが、これにも時間がかかる。

これを効率化するためにMITの研究者らがとったアプローチは、仮説をランダムにサンプル化して選択することだ。異なる仮説間で大きなオーバーラップがあるため、妥当な数のサンプルがあれば、連続する2枚の画像間で同一物の特定において仮説の一致を得ることは比較的簡単だ。また、画像間のモノの照合も多対多で行わず、1対多の照合を繰り返して、全体の照合回数を少なくした。

ロボットは、家の中にある多様なものを認識すること自体が大きな壁とされる。家事ロボットに向かって、こんな研究も確かな一歩だ。

論文は次の『The International Journal of Robotics Research』に掲載される予定。