商用ドローン規制の草案が明らかに。アマゾンには痛手?

ドローン起業家が待っていた商用ドローン規制の草案が明らかになった。約10年がかりで作られたもの。アメリカ連邦航空局(FAA)がさる2月15日に明らかにした

草案は今後パブリック・コメントを受け付け、2年後をめどに実施されるものと見られている。

by Jamie McCaffrey (CC BY 2.0)

商用ドローン規制の草案は、これからパブリック・コメントを受け付ける(Jamie McCaffrey (CC BY 2.0))

草案の内容は以下だ:

・ドローンの飛行には特別の免許書を取得する必要がある。2年ごとに更新。

・ドローンの重量は55ポンド(25キロ)以下、飛行速度は時速100マイル(160キロ)以下、高度は500フィート(152メートル)以下。

・見学者など、関係者以外の人間の上空を飛行してはならない。

・日中(現地の日の出〜日没時間内)のみ飛行が可能。

・オペレーターが視覚で(望遠鏡なしに)確認できる範囲内での飛行に限られる。

・視界は、オペレーターから最低3マイル(4.8キロ)を確保。

この草案によると、アマゾンが計画しているドローンによる配達は基本的に不可となる。届け先まで目で確認し続けることは不可能だからだ。ただ、関係者はいずれ規制が緩められるのではないかと見ている。

また、パイプラインや農場などの監視用の利用でも範囲が制限される。しかし、この視覚での確認は、オペレーターに加えて視認担当者を置くことで解決してもいいようだ。つまり、飛行している間、関係者の間で連続的に確認できればいいということだ。

FAAは、今回の草案はあくまでも枠組みであり、業界関係者らの意見やテクノロジーの発展に対応して発展していくとしている。

さらに、「マイクロ・ドローン」と呼ばれる4.4ポンド(2キロ)以下のドローンについて追加規制を設けるべきかも、今後検討される。

現在報道機関が群衆の撮影にドローンを利用することは、依然として禁止。だが、これも関係機関との話し合いで緩和される可能性もあるようだ。

「ロイター」によると、アマゾンは今回の発表に対して「わが社のビジョン実現のために全力を尽す」と声明を発表している。また「ニューヨークタイムズ」によると、アマゾンは「FAAは、われわれのビジネス、ひいてはわが社の顧客の必要性に目を向け、最終案に向けて早急に検討をする必要がある」と述べた。

同社は、アメリカ国外でのドローン配達を先行させる可能性もほのめかしている。ドイツでは昨年9月、DHLが孤島の住民に医薬品などのドローン配送を開始している。

『IEEEスペクトラム』は、ドローン関係者のツイッターでのコメントなどから、今後の論点を挙げている。以下だ:

・視野内での飛行は、商用ドローン運営に大きな足かせとなる。FPVシステム(ドローンのカメラ映像を手元モニターで確認)が考慮されないのも制限が大きすぎる。

・ 夜間飛行でも、昼間と同様にドローンが確認できるはず。禁止は行き過ぎではないか。

・関係者以外の人間の上空を飛行してはならないというのは、現実的には難しい。すべての人々から承認は取れない。

・500フィートの高さ制限は低すぎるのではないか。航空機との棲み分けを目指したものだが、農場監視などの利用において無理が出る。

とは言え、厳しすぎる規制を予期していたドローン関係者らは、今回の草案にひとまずは安心したようだ。今後の話し合いのゆくえもフォローが必要だ。