自己組織化するキューブ。変形するロボットに利用可能か

シンプルなキューブが、回転力を駆使して自己組織化して新しい形状を作る。そんなしくみをマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが考案した。「MITテクノロジー・レビュー」が伝えている

「Mブロック」と呼ばれるこのロボットは、外部に可動要素が何もない。それでも、他のブロックの上に載ったり、飛んだりする。飛行中に向きを変えたりもできる。

中には、1分間に2万回転するフライウィール(弾み車)が内蔵されており、それにブレーキがかかることによって方向性のあるモメンタムを得るしくみ。また、キューブの各面と角には磁石がついており、それがキューブ同士を結びつける。

このしくみは、形状を変化させる必要のあるロボットにも使えるはずと研究者たちは語っている。


歴代のロボットが見られるMITミュージアムを知っていますか?

マサチューセッツ大学はロボット研究でもよく知られるが、ボストンの同大学キャンパスの近くにある小さな博物館、MITミュージアムではさまざまな研究の中で作られてきた歴代のロボットを見ることができる。

ヒューマノイド・ロボットのコグ(Cog)、相手の感情に合わせて対応するキスメット(Kismet)の他にも、魚のロボット、遠隔手術ロボット、精巧なロボットアームなどが展示されている。

MITミュージアムのロボット展示室の内部

MITミュージアムのロボット展示室の内部

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モザイクというアートとクラフトを実現するロボット。アルテイック社が開発した美的なしくみ

イタリアへ旅したことのある人ならば、そこここにローマ時代のモザイクが残されているのを目にしたことがあるだろう。多数さまざまな色彩のタイルを床や壁に埋め込んで、美しい絵を生み出す。小さな単位を積み重ねて大きな絵を生み出すアイデアはすごいが、こんな細かく手のかかる作業はとても現代では実現ができない。

ところが、それをロボットで可能にしたスタートアップがある。ボストンのアルテイック社だ。創設者でCEOのテッド・アクワース氏に話を聞いた。それをお伝えしよう(写真は2013年夏当時)。

アルテイック社がロボットで製作したパネルを用いたモザイク壁面(http://www.artaic.com/より)

アルテイック社がロボットで製作したパネルを用いたモザイク壁面(http://www.artaic.com/より)

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植毛治療で活躍するロボット。レストレーション・ロボティクス社の開発

脱毛や薄毛は、世界共通の悩みだ。だが、これまでの植毛手術は、大掛かりな上に治療の傷跡が残るなどの欠点が多く、躊躇する人々が多かった。そこに登場したのがロボットだ。 レストレーション・ロボティクス社は、世界で初めて植毛治療に利用されるロボット「アルタス(ARTAS)」を開発した。2011年に米食品医薬品局(FDA)の認可を 取得。これまで50台以上世界に出荷されたアルタスは、従来のマニュアルによる自毛植毛手術と比べて、非侵襲的に施術ができることが注目を集めている。テレビ番組でもよく取り上げられているようだ。

レストレーション・ロボティクス社CEOのジム・マックコラム氏とアルタス

レストレーション・ロボティクス社CEOのジム・マックコラム氏とアルタス

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ロボットもネコのようにナビゲートしよう

ネコをはじめ、動物のヒゲは空気の動きを感じたり障害物をよけて歩いたりするのに重要な役割を果たす感覚器だ。こんな繊細な器官を人工的に作れば、ロボットのナビゲートにも役立つのではないか。

そうしてバークレー・ラボカリフォルニア大学バークレー校との研究から生まれたのが、「イーウィスカー(e-whisker)」である。「ギズマグ」が伝えている

動物のヒゲにも負けないセンサーを(http://www.lbl.gov/より)

動物のヒゲにも負けないセンサーを(http://www.lbl.gov/より)

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筋肉が伸縮するウェアラブル・ロボットのリハビリ器具

固い素材の外骨格ではなく、柔らかなプラスティックや複合材を用い、さらに人工筋肉、軽量センサー、ソフトウェアを組み合わせることで、足や足首のリハビリ器具になるプロトタイプが開発された。「エンジニア」が伝えている

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国際宇宙ステーションに送られたアリの行動から、ロボットのヒントを得る

先頃国際宇宙ステーション(ISS)に送られた荷物の中には、70匹のアリを入れたケースが載せられていた。送ったのは、スタンフォード大学の生物学の研究室だ。「ギガオム」が伝えている

アリが餌を見つけ、それを仲間に伝えて巣まで運ぶさまは興味深いものだ。中央の指令塔があるわけではなく、アリたちは互いのコミュニケーションによって進路を決め、さらにその周りを探索する。ことに視力はよくないため、匂いや接触によってコミュニケートするという。数が少ないとまっすぐ進むが、数が多いとよりまわりへ向かっていくようになる。

国際宇宙ステーションへ送られたアリの行動は、ロボット開発のヒントに(NASA提供)

国際宇宙ステーションへ送られたアリの行動は、ロボット開発のヒントに(NASA提供)

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ユーザーの感情を捉えるAIキューブ「エモスパーク」

モノのインターネット化が進む中で、人間の感情のインターネット化も開発の対象になるようだ。今、クラウド・ファンディングで資金を集めている「エモスパーク(EmoSpark)」がそんな視点で生まれた製品だ。

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夜の美術館をテレプレゼンス・ロボットで鑑賞する?

イギリスの代表的な美術館、テート・ギャラリーが、新しい方法で美術館を体験するための面白いコンペを行っている。夜の美術館をテレプレゼンス・ロボットを通じて鑑賞することもできるようになるかもしれない。「ザ・ヴァージ」が伝えている

IK賞』という名前のこのコンペは、デジタル産業のクリエティブな人々にアートを体験するためのイノベーティブな体験を作り出してもらおうというもの。優勝すると1万ポンド(約172万円)の賞金と6万ポンド(約1030万円)の制作費が与えられる。

最終選考に選ばれた4案のひとつが、テレプレゼンス・ロボットを使った夜間鑑賞「アフター・ダーク」。鑑賞しながら、ソーシャルネットワークで興味を同じくする人々と意見を交わし合ったりできるしくみのようだ。

提案しているのは、ザ・ワーカーズというロンドンのデジタル制作スタジオ。ロンドンの王立芸術大学の出身者たち3人が作っている会社で、いつもはウェブサイトやインタラクティブ・アートなどを制作している。

他にも、8歳の目から見た美術館を追体験するインタラクティブ・フィルム、作品を三次元世界で体験できるしくみなどがある

実はこのコンペは、われわれも投票が可能。締め切りは、ロンドン時間1月24日(金)真夜中=日本時間1月25日(土)午前9時。ロボット・ピープルのみなさん、ぜひ投票しましょう!


クラウド・ロボットが抱える課題

先だって、ヨーロッパで始まったプロジェクト、ロボアースについて伝えたが、「エコノミスト」がこうしたクラウド・ベースのモノ(インターネット・オブ・シングズ)やロボットの課題について触れている。それはセキュリティーとプライバシーの問題だ。

ロボットが介護するようになると、セキュリティーやプライバシーの問題も持ち上がる(http://www.economist.com/より)

ロボットが介護するようになると、セキュリティーやプライバシーの問題も持ち上がる(http://www.economist.com/より)

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