DARPAロボティクス・チャレンジでロボットたちが運転するのは、この車

『ビジネス・オブ・ロボティクス』によると、12月20〜21日にマイアミで開かれるDARPAロボティクス・チャレンジに利用される車が明らかになった。ポラリス社のレンジャー「XP 900 EPS」のカスタマイズ版という。

ポラリス社は、レクリエーション、パワースポーツ、警備、インフラ整備、軍事などに用いる車両の開発・製造会社。本社はミネソタ州ミネアポリスにある。

ロボティクス・チャレンジ用にカスタマイズされたXP 900 EPS(http://www.motorcycle-usa.com/より)

ロボティクス・チャレンジ用にカスタマイズされたXP 900 EPS(http://www.motorcycle-usa.com/より)

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圧巻のビンテージ・ロボット店の写真

『ボイング・ボイング』にイギリスから送られてきたという、ビンテージ・ロボット店の写真が出ている。クリスマス前の一風景とのこと。

ファンにはたまらない店頭風景(http://www.flickr.com/photos/woolamaloo_gazette/with/11106749364/より)

ファンにはたまらない店頭風景(http://www.flickr.com/photos/woolamaloo_gazette/with/11106749364/より)

それにしてもよく集めたものだ。以前調べたことがあるのだが、ここにも見えるリリプットなど40年代のロボット・オモチャは、日本製のものがかなり多かったようだ。今再び復刻版が発売されているが、それらは中国製。それでもロボット・ファンの間では、依然として人気が高いらしい。

オリジナル製品はコレクターの間ではひっぱりだこで、ロボット・コレクターのこのサイトによると、当時の日本のブリキ製ロボットは数年前に5万2900ドル(約530万円!)で売れたという。


コンピュータ・ビジョン市場は、2016年まで毎年9.4%拡大する

リサーチ・アンド・マーケット社が発行した調査報告書『世界のマシーン・ビジョン市場2012-2016』によると、同市場は2012年から2016年まで年々平均9.4%ずつ成長していくという。

成長を促進しているのは、製造などの産業部門以外の運輸、セキュリティーおよびサーベイランス、軍事および国防、交通管理といった分野だという。ただ、専門家の数が不足しているため、需要や必要性に応じた技術の施行が進んでいないという。

報告書では、バスラー社(ドイツ)、コグネックス社(アメリカ)、テレダイン・テクノロジーズ社(アメリカ)を中心にこれらの企業について触れられている。報告書の価格は2500ドル。

『ロボハブ』の関連記事はここ


アップルが買収したプライムセンス社は、ロボットにも関係している

先だって、アップルが3億5000万ドルで買収したイスラエルのスタートアップ、プライムセンス社は、ロボットにも技術を提供している。『ロボハブ』が伝えている

プライムセンス社の3D深度センサー技術は、3Dシステムズ社のセンス3Dスキャナーや、クァルコム社の子会社ヴフォリア社のスマートテレイン、そしてマイクロソフトのキネクトにも使われている。

これからはロボットもジェスチャー入力する?(http://www.primesense.comより)

これからはロボットもジェスチャー入力する?(http://www.primesense.comより)

そしてロボットでは、アイロボット社のテレプレゼンス・ロボットのアヴァだ。このナビゲーション・システムの中で使われているという。価格が手頃なため、今後も応用の可能性が広いという。

プライムセンス社のサイトには、アメリカのスタートアップやフランスロボット研究所の例が、アヴァと共に掲載されている。


コンピュータ・ビジョンをますます賢くするためのデータベース

カーネギー・メロン大学のロボティックス研究所では、常時ウェブをサーチし続けて、莫大な規模のビジュアル・データベースを構築しようとしているという。『カーツワイルAI・ネット』が伝えている

サーチを続けるこのプログラムは、ネバーエンディング・イメージ・ラーナー(NEIL)と呼ばれている。訳すと「永遠画像学習プログラム」というところだろうか。このプログラム自体が、現在の先進的なコンピュータ・ビジョン技術を用いて画像の中のモノを認識し、色や光、素材などその背景や特徴を学習する。

これをずっと続けていくことで、モノだけではなく、そのモノの置かれた状況をビジュアルに判断できるような能力を持つようになる。たとえば、「車はよく道路上にいる」とか「ヘリコプターは飛行場にあることが多い」といったようなことだ。つまり、「常識」を獲得するのだ。

同研究室では、今年7月末から300万の画像を分析して50万の画像から1500種類のモノを認識し、数10万の画像から1200種類の背景を認識したという。徐々にサブカテゴリーを作り、ここから「車には車輪が付いている」といったような関係性を推定できるようにするという。

NEILで「行列」という画像の特徴を呼び出したところ(http://www.neil-kb.com/より)

NEILで「行列」という画像の特徴を呼び出したところ(http://www.neil-kb.com/より)

このプログラムの目的は、構造化されたビジュアルのナレージベースをつくることだという。用途は、もちろんロボットを含め機械認識が必要になるすべての状況を考えているという。

研究のサイトでは、モノ、背景、特徴などで画像を呼び出すことができるが、なかなかの驚きがある。またNEILを訓練するために、学習してほしいコンセプトを入力することもできる。ぜひ試されたい。


スタンフォード大学の教授たちによる、バクスターのケース・スタディー

バクスターを開発するリシンク・ロボティクス社のビジネスモデルとテクノロジーなどをまとめたケース・スタディーが、今年6月に出ていた。スタンフォード大学の機械エンジニアリング学部の二人の教授がまとめたもの。

Robot - case_study

但し書きとして、「この論文は、ビジネス面での効果的な戦略を考察するものではなく、学生との論議のベースとなることを目的としている」と記されているが、内容はいろいろ参考になるので、ぜひ目を通されることをお勧めしたい。

概要をお伝えすると、ケース・スタディーでは、会社の沿革、資金調達、経営陣、製品のテクノロジーの他にも、会社としての戦略、今後の可能性、競合などに触れている。

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過去と現在(と未来)のロボット写真

『ニューヨーク・タイムズ』と雑誌『アトランティック』に数々のロボットの写真が掲載されている。

22歳の発明家が製作したロボット「ミスター・ジョン・キロワット・オーム」は、歩き,話し、タバコを吸い、火を噴いたという。(www.nyt.comより)

22歳の発明家が製作したロボット「ミスター・ジョン・キロワット・オーム」は、歩き,話し、タバコを吸い、火を噴いたという。(www.nyt.comより)

前者は、1920年代後半から作られていたいろいろなヒューマノイド型ロボットについての記事。ロンドンのモデル・エンジニア協会の展示会に登場したロボット「エリック」は、手を挙げて観衆に静粛を求めた後、聞きづらいスピーチを行い、そして着席したという。ウェスティングハウス社は、人間の声に従う「ミスター・テレヴォックス」や「エレクトロ」を製作。タバコを吸ったり口笛を吹いたりしたらしい。それでも、この当時のロボットが後に単純作業を行うようになる産業用ロボットのきっかけとなったと記事は述べている。

こちらにスライドショーがある。

後者の記事は、ここ最近のロボット開発を写真で示すもの。軍事用、救援用、介護用、コンパニオン用、宇宙探索用など多種多様。日本のロボットも数台出ている。クウェートのラクダ・レースでは、背中に載っているのがロボット騎手で、トレーナーが後続する車の中から操作しているとか。

クウェートのラクダ・レースで使われているロボット騎手(http://www.theatlantic.com/より)

クウェートのラクダ・レースで使われているロボット騎手(http://www.theatlantic.com/より)

一体このロボット騎手は、ラクダの背中をポコポコ叩いているのだろうか……、と思って調べてみたところ、中東ではラクダ・レースによく使われているとのこと。従来は、歳もいかない少年の騎手が多かったが、体重を抑えるためにまともな食事もさせてもらえないことがほとんどで、10年ほど前から少年騎手は禁止されるようになったという。その代わりを務めているのがロボット騎手だ。手綱を引き、鞭を振るうらしい。


DARPAロボティクス・チャレンジに向けて、アトラス猛練習中

DARPA(国防高等研究計画局)が主催するロボティクス・チャレンジ(DRC)の予選開催まで、いよいよ1ヶ月を切った。

自前のロボットを持ち込むトラックAおよびトラックDのチームと、これまでソフトウェアを開発し、チャレンジではボストン・ダイナミクス社が開発したヒューマノイド・ロボット、アトラスを使って挑戦するトラックBとトラックCのチームが勢揃いする。トラックDチームの数が不明だが、トラックA、B、Cだけでも13チームある。

『IEEEスペクトラム』がそのうち、IHMCロッキード・マーティン社のアトラスの練習風景を載せている

IHMCはバーチャル・チャレンジ(VRC)で最高点を獲得したチーム。デコボコした地面を歩く練習をしている様子がわかる。

ロッキード・マーティン社は、VRCでは勝ち抜くことができなかったが、NASA ジェット推進研究所(JPL)がトラックAの同研究所チームと合体することになったため、アトラスを譲り受けることになった。同社は、ペンシルバニア大学、ニューヨーク州のレンセラー工科大学と組んで、チーム・トルーパー(Team Trooper)として参加する。ビデオは、どちらかというとプロモーション系。

トラックA各チームのロボット紹介ビデオはここに。

この他にもアトラス関係のビデオを見つけたので、下に上げておこう。

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クラウド・ファンディングで目標額の3倍以上を達成したオモチャ・ロボット

グーグルとアップル、フロッグ・デザインの出身者らで創設したプレイアイ社のクラウド・ファンディングが目的額の3倍以上に達している。

同社の製品は、球体をしたふたつのロボット、「ヤナ」と「ボー」だ。いずれもタブレットなどから子供が簡単にプログラムをすることができ、移動したり、モノを運んだり、鉄琴で音楽を奏でたりさせることができる。この手のオモチャにしては少々値段が高めでヤナは49ドル、ボーは149ドル。来年市販される際には、価格は20ドル高くなるという。開発者向けのAPIへのアクセス付きだと、2つのロボットと合わせて189ドルとなる。

プレイアイ社の「ボー」(左)と「ヤナ」(右)は子供がプログラミングを習得するよう考えられたロボット(https://www.play-i.com/より)

プレイアイ社の「ボー」(左)と「ヤナ」(右)は子供がプログラミングを習得するよう考えられたロボット(https://www.play-i.com/より)

プレイアイ社の謳いは、「これからの子供にとって、プログラミングのリタラシーを持つことは必須になる」というもの。ヤナとボーを動かすためのプログラミングがその第一歩となるというわけだ。

対象としている年齢は、5〜12歳。それ以上は、APIでさらに高度プログラミングが試せるという。ボーは車輪がついていて、障害物を避けて移動でき、ボーは触れたり叩いたり振ったりして、発光するなどの指示が可能。スクラッチやブロッキーなど、子供に親しまれているビジュアル・プログラミングにも対応する。

自社サイトでクラウド・ファンディングを行っており、25万ドルの目標額に対して、11月23日現在で89万4000ドル以上が集まっている。評判は上々だ。

ウォールストリート・ジャーナルの関連記事はここ


MITセンサブル・シティー・ラボの視点によると、ドローンは道案内役

道に迷った時に、あなたならどうするだろうか。通りかかる人に尋ねるだろうか、それともスマートフォンを取り出して、グーグルマップを開くだろうか。

都市でのテクノロジーの応用方法を探るMITのセンサブル・シティー・ラボの場合は、ドローンを呼び出すようだ。

このおしゃれなビデオによると、特製アプリの「スカイコール」で「呼び出し」ボタンを押すと、間もなくしてドローンが頭上に登場。そこで行き先のキャンパスの部屋の数字を押すと、ドローンが先導して部屋まで連れて行ってくれる。その間、まわりの建物や研究室についても説明を加えてくれるようだ。

確かにこういう使い方があるなあと思わせる。ドローンは、監視用、農業の作物モニター用などの用途がいろいろ競われているが、こんな親切なドローンもありだろう。東京オリンピックの「お・も・て・な・し」用に、ひとつ開発してはいかがだろうか。